染工房 裕

日本の伝統に根づいていた染色の歴史、技法等をご紹介します。藍染の歴史は大変古く、ピラミッドの中のミイラを包んでいた麻の布も藍で染められていたといわれています。日本へは古墳時代、卑弥呼が魏の国へ使者を送った時にダテ藍が伝わったといわれています。

藍染の歴史と種類
藍染めは世界中で最も古くから用いられてきた植物染料だと言われています。 藍染めとは『藍』という名の染料植物があるわけではなく、インジゴ(インジカン)という色素を含んでいれば染色可能で世界にはインジゴを生み出す種々の植物があり、これらの植物が世界各地において、様々な方法で藍染めに用いられてきました。
平安時代初期にまとめられた『延喜式』には藍染めに関する記載があり、鎌倉時代には藍の濃紺のかち色(勝ち色)が武家に愛好されました。 鎧の下に藍染めの下着をつけ、切り傷や虫さされから身を守っていました。藍染めが庶民に普及したのは江戸時代のはじめ頃。木綿の着物を着るようになったのがきっかけで(以前は麻などを着用)野良着、もんぺなど仕事着に用いられていました。藍染め屋は『紺屋』と呼ばれていました。身の回りのあらゆるものを染めるのに利用され、塩水や潮風にも強く、漁師の祝着などにも藍染めがつかわれました。
明治8年に訪れた化学者 アトキンソンは日本中が青い衣服であふれていることに驚き、藍の色を『ジャパンブルー』と名づけました。1880年 ドイツのバイヤーが化学的に藍の合成に成功。実用的で美しい藍染めは庶民の衣服の主な染料でした
タデ藍 学名:Polygonum tinctorium Lour
中国またはインドシナ半島の原産といわれる。日本へは遅くとも古墳時代の終わり頃には渡来した。
インド藍(コマツナギ属:Indigofera)
タイワンコマツナギ 学名:Indigofera tinctoria L. 世界の藍の総称となっているインド藍染料として使われはじめたのは、紀元前二千年を下らないといわれる。
ナンバンコマツナギ  学名:Indigofera Suffruticosa Mill.
メキシコ、ジャワ島、など、広く分布している。
琉球藍 学名:Strobilanthes cusia
沖縄の紅型や絣に多く見られる。原産はインド、タイ、ビルマ周辺といわれる。
大青(ウォード、英woad 独waid 仏Pastel) 学名:Isatis tinctori
ヨーロッパを中心に栽培された。シベリア、中国北部、北海道など広く分布。
多くの文献や資料を元に加筆、修正しています。参考にした資料は出来る限りご紹介します。誤った内容や不適切な表示がありましたらご指摘ください