藍・紅花染筒描「湯上げ 鶴亀松竹梅」

藍・紅花染筒描「湯上げ 鶴亀松竹梅」

藍・紅花染筒描「湯上げ 鶴亀松竹梅」
湯上げとは山陰地方を中心に子供が生まれた時のお祝いとして贈られた、湯上がりの乳児を包む為の布です。筒描の藍染めで吉祥文様を表し、片隅を紅花で染められました。藍は虫除けの効果、紅花染は湯を浸して目を拭うと眼病予防や魔除けの効果があるとされ、子供の健やかな成長を祈る気持ちが込められていました。
この湯上げ制作で初めて紅花染めにチャレンジしたのですが、紅の色素が生地に染まって行く迄の過程は驚きの連続でした。色素を出し尽くした紅の花びらはまるで出がらしのお茶っぱみたいで、花の生命が生地に移り、染み込んで行く様でした。
藍と紅花との染め分けも困難が多く、かつての職人はどうやって染め上げたのか?すべてが工夫しながらの作業でした。
素材:綿 サイズ:約68x100cm 2004年制作