染裕  SOMEHIRO

染裕 SOMEHIRO (ソメヒロ)


藍染の筒描や型染め、絞染を中心に横浜で制作しています。
染裕はかつての「藍染」を現代人のライフスタイルに適した新しいスタイルとして提案・発信致します。

万祝の文様を元イメージに染裕文様は生まれました。
藍染筒描「染工房裕」素材:綿 サイズ:約100x100cm 2003年制作 
万祝(江戸時代頃の漁師が着た法被)の文様と芹沢銈介の「いろは文様」から影響を受け染裕文様は生まれました。四方を海に囲まれ、海の幸や吉祥文様を藍で染め抜いた「万祝」には、日本人の美意識や粋な文化が凝縮しているような気がしてなりません。

日本では江戸時代のはじめ頃、木綿の普及とともに藍染が広まりました。

庶民の生活になくてはならないものとして仕事着や手ぬぐいなど
生活のあらゆる布を染めるのに使われました。

当時の日本人の生活様式、文化、風土の中から
他の国では見られない程の緻密で技巧的な独自の文様が施され
文様の中には暮らしの中での知恵や祈りが込められました。
その美しさは日本に訪れた外国人が「ジャパンブルー」と名付ける程でした。

1880年代(明治中頃)ドイツで化学藍が開発され日本にも輸入されるようになると
天然藍の製造は激減、高度経済成長の中で藍染での染色も姿を消してゆきました。

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化学染料、草木染、様々な染をしてきましたが、
「藍染」は他の染料と比較すると、飛びぬけた魅力が有り特別でした。
生地に深く染み込みガツンと濃く染まっていく感触、はじめて藍染に出会った時の感動は今でも全く色褪せません。

藍染をしていると、その全てが魅力的です。

当時の染め方にこだわると、現在では大変貴重な材料と時間と体力と気力が必要で、
現在の叡智を集約したインディゴ(化学藍)還元染めでは簡単に濃く染まり、
どちらが本物でも偽物でもなく、どちらも藍染で、
「何に何をどうやって染め上げるか」
染められた生地は「誰がどのように使うか?」
染める者は、常に問われているように思えてなりません。


染裕の夢は「ルーブル美術館」サモトラ家のニケ。あの空間を染裕の藍染で演出すること。
過去と未来・西洋と東洋・美しさを輝かせること。


100年前の藍染職人や、エコールドパリ時代のモンパルナスを想像しながら、
未来の誰かに人々に届けるつもりで染めています。